PP Møbler "PP503" 森がなければPP Møblerは存在しない
PP Møbler “PP503” 森がなければPP Møblerは存在しない
PP Møbler "PP503" 森がなければPP Møblerは存在しない
PP Møbler “PP503” 森がなければPP Møblerは存在しない
pp_mobler_logo_100_75
pp_mobler_logo_85x63
PP Møbler(ピーピーモブラー) ディーラーミーティング参加レポート

木と自然を愛し、北欧家具の巨匠Hans J. Wegner(ハンス・J・ウェグナー)の傑作の多くを世に送り出してきたデンマークの家具工房、PP Møbler(ピーピーモブラー)のディーラーミーティングが、先日5月24日(水)、青山のScandinavian Living(スカンジナビアンリビング)ショールームにて行われ、弊社IL DESIGN(イル デザイン)も参加して参りました。三代目のKasper Holst Pedersen(キャスパー・ペデルセン)さんが2020年に代表着任後初来日を果たし、PP Møblerという会社の信念と、今後の展開について直接お話をしてくださいました。こちらの模様について概要をレポートさせていただきます。

PP Møbler(ピーピーモブラー)
ディーラーミーティング参加レポート

木と自然を愛し、北欧家具の巨匠Hans J. Wegner(ハンス・J・ウェグナー)の傑作の多くを世に送り出してきたデンマークの家具工房、PP Møbler(ピーピーモブラー)のディーラーミーティングが、先日5月24日(水)、青山のScandinavian Living(スカンジナビアンリビング)ショールームにて行われ、弊社IL DESIGN(イル デザイン)も参加して参りました。三代目のKasper Holst Pedersen(キャスパー・ペデルセン)さんが2020年に代表着任後初来日を果たし、PP Møblerという会社の信念と、今後の展開について直接お話をしてくださいました。こちらの模様について概要をレポートさせていただきます。

PP Møbler三世代の写真。 左から三代目Kasterさん、二代目Sorenさん、初代Ejnarさん
PP Møbler三世代の写真。左から三代目Kasterさん、二代目Sorenさん、初代Ejnarさん
The Workshop connected by three generations

PP MøblerはKasperさんのおじいさんとそのお兄さんであるEjnar and Lars Peder Pedersen(アイナー・ペデルセン、ラース・ペダー・ペデルセン兄弟)で1953年に立ち上げた会社。Ejnarさんととても仲が良かったHans J. Wegner(ハンス・J・ウェグナー)が、あなたのワークショップをブランド化しよう、と提案したそうです。PPのロゴもWegner作。

Ejnarさんがとても好んだというWegner1945年作のチャイニーズチェアが”原点”とのこと。更に姿勢を自由にするために背もたれの背板を取り除き、笠木を太くし前足と繋げて貫を取り除いた ―― こうしてPP501/503 ザ・チェアが出来、ここからWegnerは自身のデザインを大きく展開していくことになったそうです。背もたれをより小さな部品で作ったPP505 カウホーンチェア、小さい部品を合わせるように作ったPP701 ミニマルチェア。そして1987年、チャイニーズチェアから40年で辿り着いたシンプルなチェアがPP58/68。Wegnerはデザイナーであるだけではなく、デザイン研究者であり、実際に職人の方達ひとりひとりに作成のアドバイスまでしていたといいます。”木の命を蘇らせるように心を入れて作りたい”という彼の言葉が響いてきます。

PP Møbler三世代の写真。 左から三代目Kasterさん、二代目Sorenさん、初代Ejnarさん
PP Møbler三世代の写真。
左から三代目Kasterさん、二代目Sorenさん、初代Ejnarさん
The Workshop connected by three generations

PP MøblerはKasperさんのおじいさんとそのお兄さんであるEjnar and Lars Peder Pedersen(アイナー・ペデルセン、ラース・ペダー・ペデルセン兄弟)で1953年に立ち上げた会社。Ejnarさんととても仲が良かったHans J. Wegner(ハンス・J・ウェグナー)が、あなたのワークショップをブランド化しよう、と提案したそうです。PPのロゴもWegner作。

Ejnarさんがとても好んだというWegner1945年作のチャイニーズチェアが”原点”とのこと。更に姿勢を自由にするために背もたれの背板を取り除き、笠木を太くし前足と繋げて貫を取り除いた ―― こうしてPP501/503 ザ・チェアが出来、ここからWegnerは自身のデザインを大きく展開していくことになったそうです。背もたれをより小さな部品で作ったPP505 カウホーンチェア、小さい部品を合わせるように作ったPP701 ミニマルチェア。そして1987年、チャイニーズチェアから40年で辿り着いたシンプルなチェアがPP58/68。Wegnerはデザイナーであるだけではなく、デザイン研究者であり、実際に職人の方達ひとりひとりに作成のアドバイスまでしていたといいます。”木の命を蘇らせるように心を入れて作りたい”という彼の言葉が響いてきます。

いくつものプロトタイプが作られたお話を楽し気に語る 三代目Kasperさんと通訳を務められたKenさん
いくつものプロトタイプが作られたお話を楽し気に語る三代目Kasperさんと通訳を務められたKenさん

“Wegnerに似たもの”を作ってもWegnerには決して勝てないので、全く違うものを、と試行錯誤のプロトタイプを次々に試作した時代もあったと、いくつもの写真を見せて失敗談なども時折笑いを交えながら話してくれました。得意とする”曲げ木”の技術を存分に活かし、木をぐるぐる巻きにしたチェアを作ったり、美しい曲げ木の背もたれを複数重ねたチェアも作ったが・・・座り心地は悪かったことなども!

いくつものプロトタイプが作られたお話を楽し気に語る 三代目Kasperさんと通訳を務められたKenさん
いくつものプロトタイプが作られたお話を楽し気に語る
三代目Kasperさんと通訳を務められたKenさん

“Wegnerに似たもの”を作ってもWegnerには決して勝てないので、全く違うものを、と試行錯誤のプロトタイプを次々に試作した時代もあったと、いくつもの写真を見せて失敗談なども時折笑いを交えながら話してくれました。得意とする”曲げ木”の技術を存分に活かし、木をぐるぐる巻きにしたチェアを作ったり、美しい曲げ木の背もたれを複数重ねたチェアも作ったが・・・座り心地は悪かったことなども!

生木を乾かしていく根気のいる工程についてお話する KasperさんとKenさん
生木を乾かしていく根気のいる工程についてお話するKasperさんとKenさん
生木を乾かしていく根気のいる工程についてお話する KasperさんとKenさん
生木を乾かしていく根気のいる工程についてお話する
KasperさんとKenさん
Without forests there is no PP Møbler!

Ejnarさんの ‘If we care for our materials and each other we can create beautiful things.’「木を愛し、人を愛せば、いいもの、美しいものが作れる」という言葉が表すように、PPには「木」という素材への尊敬の念が息づいています。水と二酸化炭素を吸収して育ち、酸素を排出し、切られて家具となっても二酸化炭素を蓄えることが出来る「木」という最も持続可能な材料を最も大切なものと考え、PPフォレストという森を作りました。2009年の国連環境会議C(COP15)のスポンサーとなった際にPP130とPP503を提供、その後著名人がかけた椅子を販売した利益の一部で12ヘクタールの土地に木を植えたのです。2023年現在、まだ「森」にまでは達していませんが、緑が増え虫や動物たちもいる自然溢れる良い土地となってきたとのこと。20、30年後にはこの土地で育った木で椅子をつくれるだろう、というKasperさんは、この大事な「木」を倒して作品を作るということは、木と同じくらいのクオリティの、長持ちする作品を作る必要がある、というPPを貫く信念を伝えてくれました。

Without forests there is no PP Møbler!

Ejnarさんの ‘If we care for our materials and each other we can create beautiful things.’「木を愛し、人を愛せば、いいもの、美しいものが作れる」という言葉が表すように、PPには「木」という素材への尊敬の念が息づいています。水と二酸化炭素を吸収して育ち、酸素を排出し、切られて家具となっても二酸化炭素を蓄えることが出来る「木」という最も持続可能な材料を最も大切なものと考え、PPフォレストという森を作りました。2009年の国連環境会議C(COP15)のスポンサーとなった際にPP130とPP503を提供、その後著名人がかけた椅子を販売した利益の一部で12ヘクタールの土地に木を植えたのです。2023年現在、まだ「森」にまでは達していませんが、緑が増え虫や動物たちもいる自然溢れる良い土地となってきたとのこと。20、30年後にはこの土地で育った木で椅子をつくれるだろう、というKasperさんは、この大事な「木」を倒して作品を作るということは、木と同じくらいのクオリティの、長持ちする作品を作る必要がある、というPPを貫く信念を伝えてくれました。

ミーティングでいただいたPP Møblerのカタログとパンフレット
ミーティングでいただいたPP Møblerのカタログとパンフレット
ミーティングでいただいたPP Møblerのカタログとパンフレット
ミーティングでいただいたPP Møblerのカタログとパンフレット
History and Future of PP

立ち上げ時代からの工房の写真を次々と見せてくれたKasperさん。最初10数人くらいだった職人達は80年代の終わりには倍程に増え、今や50人の職人を抱える会社に。PPの魂、レガシーを伝えていくのにこれがMAXの人数、とおっしゃっるKasperさんは1974年生まれで、ご自身が家具職人としての資格をとりPPに入社したのは2001年。自らは職人であると同時にビジネスについても学んできた、というKasperさんは、いつかおじいさんとお父さんと「いくら良い物を作っても、人の手に渡らなければ良いものをつくっている所がなくなってしまう」という話をした、という逸話を語ってくれました。

コロナ禍のこの数年、PP Møblerは大きな影響を受けました。おじいさんのEjnarさんがコロナで亡くなり、その後にお父さんのSorenさんが引退され、Kasperさんが引き継いだ2020年は一旦受注が途絶えてしまいます。翌年の2021年には反動のように爆発的に注文が増えたものの、そこに材料やエネルギー価格の高騰による急激な値上がりが発生し赤字に。更に納期の遅れと値上がりという問題を抱えたKasperさんは、ここで大きな変革を起こします。工房のプランニングをシステマイズし直し、信頼できる限定した販売店と強固なサービス体制を築き直し、今まで手作業でしか難しかった作業を行える機械も開発されました。これにより納期の短期化が出来ましたし、価格もこれ以上の上昇をしないでキープしたいと思う、とお話してくれました。

History and Future of PP

立ち上げ時代からの工房の写真を次々と見せてくれたKasperさん。最初10数人くらいだった職人達は80年代の終わりには倍程に増え、今や50人の職人を抱える会社に。PPの魂、レガシーを伝えていくのにこれがMAXの人数、とおっしゃっるKasperさんは1974年生まれで、ご自身が家具職人としての資格をとりPPに入社したのは2001年。自らは職人であると同時にビジネスについても学んできた、というKasperさんは、いつかおじいさんとお父さんと「いくら良い物を作っても、人の手に渡らなければ良いものをつくっている所がなくなってしまう」という話をした、という逸話を語ってくれました。

コロナ禍のこの数年、PP Møblerは大きな影響を受けました。おじいさんのEjnarさんがコロナで亡くなり、その後にお父さんのSorenさんが引退され、Kasperさんが引き継いだ2020年は一旦受注が途絶えてしまいます。翌年の2021年には反動のように爆発的に注文が増えたものの、そこに材料やエネルギー価格の高騰による急激な値上がりが発生し赤字に。更に納期の遅れと値上がりという問題を抱えたKasperさんは、ここで大きな変革を起こします。工房のプランニングをシステマイズし直し、信頼できる限定した販売店と強固なサービス体制を築き直し、今まで手作業でしか難しかった作業を行える機械も開発されました。これにより納期の短期化が出来ましたし、価格もこれ以上の上昇をしないでキープしたいと思う、とお話してくれました。

タッグを組んでいた巨匠Wegnerと初代Ejnarさん
タッグを組んでいた巨匠Wegnerと初代Ejnarさん

やっと色々なことが落ち着き、力を出せるようになってきた証拠として、この日、ずっと出したかったという新製品の日本先行発売の発表がありました。1950年に発表されたWegnerのイージーチェアを復刻させた「PP16」です。クッションをオリジナルのウレタンフォームから、pp19(ベアチェア)と同じく天然素材に生まれ変わらせました。これから、時間はかかりますが全てのPPの製品をウレタンに代わり、この馬の毛と生ゴムで作る天然素材のものに変えていく!という宣言も聞かせてくださいました。6月の7日から9日に開催された、290社ものブランドが集まるデンマークのデザインフェスティバル、3days of designではこのPP16が正式発表されたはずです。そして今回、PP Møblerとして初めてコペンハーゲンにFlag Ship Shopを出しました。会社として更に大きな一歩を踏み出したPP Møbler。我が社と、未来への旅を一緒にしていきましょう、と、Kasperさんは強く温かい眼差しで伝えてくれました。

タッグを組んでいた巨匠Wegnerと初代Ejnarさん
タッグを組んでいた巨匠Wegnerと初代Ejnarさん

やっと色々なことが落ち着き、力を出せるようになってきた証拠として、この日、ずっと出したかったという新製品の日本先行発売の発表がありました。1950年に発表されたWegnerのイージーチェアを復刻させた「PP16」です。クッションをオリジナルのウレタンフォームから、pp19(ベアチェア)と同じく天然素材に生まれ変わらせました。これから、時間はかかりますが全てのPPの製品をウレタンに代わり、この馬の毛と生ゴムで作る天然素材のものに変えていく!という宣言も聞かせてくださいました。6月の7日から9日に開催された、290社ものブランドが集まるデンマークのデザインフェスティバル、3days of designではこのPP16が正式発表されたはずです。そして今回、PP Møblerとして初めてコペンハーゲンにFlag Ship Shopを出しました。会社として更に大きな一歩を踏み出したPP Møbler。我が社と、未来への旅を一緒にしていきましょう、と、Kasperさんは強く温かい眼差しで伝えてくれました。

– – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – – –

以上、5月24日スカンジナビアンリビング東京ショールームにて行われた、PP Møbler(ピーピーモブラー)ディーラーミーティングに参加させていただいた際の概要レポートでした。お読みいただきありがとうございました。

登壇: PP Møbler CEO Kasper Holst Pedersen(キャスパー・ペデルセン)さん
通訳: Scandinavian Living(スカンジナビアンリビング) Senior Sales Manager 羽柴健さん
主催: Scandinavian Living(スカンジナビアンリビング)

——-
★弊社IL DESIGN(イルデザイン)は、PP Møbler(ピーピーモブラー)総輸入元のScandinavian Livingを通して登録されている、PP Møbler(ピーピーモブラー)の正規特定販売店です。PP Møbler(ピーピーモブラー)の製品について、是非下記連絡先よりお気軽にお問い合わせください。

★上記PP Møblerのカタログとパンフレットをご希望の方にプレゼント致します。数に限りがございますのでお早目にどうぞ!

IL DESIGN PP Møbler(ピーピーモブラー)ページ
https://www.italia-kagu.com/brands/pp-mobler/

IL DESIGN ONLINE PP Møbler(ピーピーモブラー)ページ
https://www.shop.italia-kagu.com/pp-mobler

以上、5月24日スカンジナビアンリビング東京ショールームにて行われた、PP Møbler(ピーピーモブラー)ディーラーミーティングに参加させていただいた際の概要レポートでした。お読みいただきありがとうございました。

登壇: PP Møbler CEO Kasper Holst Pedersen(キャスパー・ペデルセン)さん
通訳: Scandinavian Living(スカンジナビアンリビング) Senior Sales Manager 羽柴健さん
主催: Scandinavian Living(スカンジナビアンリビング)

——-
★弊社IL DESIGN(イルデザイン)は、PP Møbler(ピーピーモブラー)総輸入元のScandinavian Livingを通して登録されている、PP Møbler(ピーピーモブラー)の正規特定販売店です。PP Møbler(ピーピーモブラー)の製品について、是非下記連絡先よりお気軽にお問い合わせください。

★上記PP Møblerのカタログとパンフレットをご希望の方にプレゼント致します。数に限りがございますのでお早目にどうぞ!

IL DESIGN PP Møbler(ピーピーモブラー)ページ
https://www.italia-kagu.com/brands/pp-mobler/

IL DESIGN ONLINE PP Møbler(ピーピーモブラー)ページ
https://www.shop.italia-kagu.com/pp-mobler