LYFAの灯りの中で談笑する人々 at Scandinavian Living Tokyo
LYFAの灯りの中で談笑する人々 at Scandinavian Living Tokyo
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LYFAの灯りの中で談笑する人々 at Scandinavian Living Tokyo
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デンマーク照明メーカー”LYFA(リーファ)”と
デザインユニットGamFratesi(ガムフラテージ)とのコラボレーション第二弾
新作「MEMOIR(メモア)」発表会 参加レポート
2024年1月23日、スカンジナビアン・リビング東京にて

世界中に翼を羽ばたかせるデザインユニットGamFratesi(ガムフラテージ)はイタリアの建築家Enrico Fratesi(エンリコ・フラテージ)さんとデンマークの建築家Stine Gam(スティーネ・ガム)さんとのデュオ。コペンハーゲンに事務所を構え、数多くの国際企業とコラボレーションし錚々たる受賞歴を持つ彼らが、デンマークの照明メーカーLYFA(リーファ)とのコラボレーションによる新作を発表。これを記念してエンリコさんが来日し、”Pen”や”Casa BRUTAS”等での執筆活動やデザイン分野を中心にした取材活動を行う、ジャーナリスト猪飼尚司さんとのトークイベントが行われました。LYFAデザインディレクターRasmus Markholt(ラスムス・マークホルト)さんによるプレゼンテーションから始まったこのイベント。去る1月23日、弊社も参加してまいりました。

デンマーク照明メーカー”LYFA(リーファ)”とデザインユニットGamFratesi(ガムフラテージ)とのコラボレーション第二弾
新作「MEMOIR(メモア)」発表会 参加レポート
2024年1月23日、
スカンジナビアン・リビング東京にて

世界中に翼を羽ばたかせるデザインユニットGamFratesi(ガムフラテージ)はイタリアの建築家Enrico Fratesi(エンリコ・フラテージ)さんとデンマークの建築家Stine Gam(スティーネ・ガム)さんとのデュオ。コペンハーゲンに事務所を構え、数多くの国際企業とコラボレーションし錚々たる受賞歴を持つ彼らが、デンマークの照明メーカーLYFA(リーファ)とのコラボレーションによる新作を発表。これを記念してエンリコさんが来日し、”Pen”や”Casa BRUTAS”等での執筆活動やデザイン分野を中心にした取材活動を行う、ジャーナリスト猪飼尚司さんとのトークイベントが行われました。LYFAデザインディレクターRasmus Markholt(ラスムス・マークホルト)さんによるプレゼンテーションから始まったこのイベント。去る1月23日、弊社も参加してまいりました。

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LYFAデザインディレクター、ラスムス・マークホルトさん
LYFAデザインディレクター、ラスムス・マークホルトさん

イベントを開催したScandinavian Living(スカンジナビアン・リビング)は、リンインクープとともにLYFAの国内総代理店を務めています。会場となった青山のショールームはLYFAの照明と上質な北欧家具で満たされ、冬の寒空の下、澄んだ空気を纏って入場してきたプレス、インテリア・建築関係の参加者の方々は凡そ80名は超えていたでしょうか。皆がこの暖かな空間でくつろぎ始める中、イベントは始まりました。冒頭でスカンジナビアン・リビングCEOのHenrik Kohberg(ヘンリック・コーベア)さんからの「スカンジナビアのライフスタイルに照明という要素は欠かせません。特にこのLYFAの照明を是非見てほしいのです。」― という言葉とともに、LYFA再生の立役者でありデザインディレクターのRasmus Markholt(ラスムス・マークホルト)さんが招き入れられました。

Louis Poulsen(ルイスポールセン)で開発の仕事をされていたラスムスさんはその後LIGHTYEARS(ライトイヤーズ)を立ち上げ、再度ルイスポールセンに戻った後、長年温めていた夢を実現、LYFA(リーファ)再生を成し遂げたのが2020年のことでした。LYFAは元々、1903年にシャンデリア照明の会社としてスタートした歴史ある会社で、その名は「LYSEKRONE-FABRIK」(シャンデリアファクトリー)のそれぞれの頭文字をとって名付けられました。Bent Karlby, Simon P. Henningsen, Finn Juhl等の著名なデザイナーとコラボし、’39の映画”Ninotchka”(ニノチカ)でグレタ・ガルボがかぶっていた帽子からインスピレーションを得てつくられたNinotchkaや様々な組み合わせが面白いMosaikシリーズ、Simon P. Henningsenが父ポールヘニングセンから受け継いだチボリ公園の照明計画にて作成したDIVAN2などの名作を次々に生み出したLYFA。しかし買収や統合が繰り返され90年代に一度企業活動の幕を閉じることになります。ラスムスさんは、長い間、この良い照明会社が眠っていることを辛く感じ、ついに2020年、20年の時を経てLYFAを再生させました。

※LYFA(リーファ)の詳しい歴史と歴代のアイコニックな照明作品の数々については、丁度1年程前に行われたトークイベントのレポートでもお伝えしておりますのでご興味のおありな方は是非ご覧ください。
「デンマーク照明ブランド”LYFA(リーファ)”のトークイベント 参加レポート 2022年12月7日、スカンジナビアン・リビング東京ショールームにて」
(IL DESIGN 2023.1.17.)
https://www.italia-kagu.com/pf/new-years-greetings-and-beautiful-danish-lighting-lyfa/

エンリコ・フラテージさん、猪飼尚司さんとの対談。通訳: 羽柴健さん
エンリコ・フラテージさん、猪飼尚司さんとの対談。通訳: 羽柴健さん

LYFAは光をDirect Lighting(直接照明)、Indirect Lighting(間接照明)、Diffused Lighting(拡散照明)の3つのタイプにカテゴライズし、それぞれが用途にかなった目的を果たすようにデザインしているそうです。今回紹介されるガムフラテージ作のMEMOIR、そして彼らの前作REPOSEは、3つ目のDiffused Lighting(拡散照明)にあたります。無指向性で、シェードやグローブにカバーされた光源がその照明器具のもつ素材感、色などを表現し、趣を楽しめるタイプの柔らかな灯りです。次にラスムスさんに代わり、デザイナー・建築家のEnrico Fratesi(エンリコ・フラテージ)さんと、ジャーナリスト・執筆家の猪飼尚司さんがLYFAの照明が作り出す灯りの下に登場しました。

LYFA "REPORSE(リポーズ)"
LYFA “REPORSE(リポーズ)”
LYFA "MEMOIR(メモア)"

LYFA “MEMOIR(メモア)”

猪飼さんはガムフラテージによる2021年の作品”REPORSE(リポーズ)”がとても好きとのこと。(“REPORSE”は日本の簪(かんざし)をモチーフにした、和装の女性のヘアスタイルからインスピレーションを得た美しい曲線を描く照明。)こちらと、今回発表の新作”MEMOIR(メモア)”との違いについてお聞かせください、と切り出しました。エンリコさん曰く、”REPOSE”は「ガラス」というマテリアルに着目して構想し、ガラスを上下に膨らませるように大きさに変化をつけてそれぞれのサイズを作ったとのこと。そして簪(かんざし)に当たる真鍮またはスチールのピンが保つ絶妙なバランスが難しいのです、と建築家ならではの着眼点で続けます。新作”MEMOIR”の方は同じガラスを使いながらもグローブのサイズは1つ。そしてこちらは様々な”構造”を楽しめるモジュラーシステムにして、同じ部品でペンダント、ウォール、シーリング、シャンデリアと色々な形をとれるようにしました、と。3層オパールのガラスグローブを繋ぐ2重のラインを持つアームはメカニカル且つモダンで軽い雰囲気も醸し出しています。

デザインユニット"GamFratesi"のエンリコ・フラテージさん
デザインユニット”GamFratesi”のエンリコ・フラテージさん

「”MEMOIR”のコンセプトは「シャンデリア」だと言います。「シャンデリアと聞くと、豪華、大きい、華美、華燭、古い…なんてイメージが出てきますが、きっと元々は、教会などで段々場所が広くなってきたときに明るさを出すため、蝋燭を継ぎ足し、継ぎ足し、していったものが元なのでは?と思います。ガムフラテージにとって「シャンデリア」についてどうお考えですか?」と猪飼さんからの質問が飛ぶと、エンリコさんは、「MEMOIRは同じランプの光源でどう組み換えができるかを考えた、”モダンな新しいシャンデリア”なのです。」と。長い歴史の中で発展し進化してきた”シャンデリア”。心の中で、嗚呼、見たことがある、昔見た伝統的なシャンデリアに似ている、と感じる部分や、材料や灯の出し方など、何か違う部分を見つけたり…と、”思い出して”(MEMOIR)楽しみを得られるようなものを、クラシックとモダンのバランスをとって作られたそうです。

―ガムフラテージのOfficial siteによると、MEMOIRはシャンデリアの持つ優れた機能性と装飾的な感覚を維持したまま、モジュール式のコンセプトに取り組んだ作品であり、丸みを帯びたシェードが下部に見せる大きくやわらかな突起の形が歴史的なスタイルを思い起こさせているとのことです。そう思って改めてMEMOIRを見ると、なんだか懐かしさを感じることが出来ました。

LYFA "memoir(メモア)"
LYFA “memoir(メモア)”

照明は「その場の”環境”を作る」「ON、OFF二つの顔を持つ」という点、そして材料の面でも家具のデザインとは全く異なり、難しさもある、と話すエンリコさんはイタリア人の建築家デザイナー。イタリアでは場を大きく照らすものが多いが、デンマークに来て気づいた「小さな照明を”使う場所”や”手元”に置く」というスタイルは”発見”だったといいます。デンマークに初めて行った時にレストランでメニューを読むのも大変なくらい光の暗さを感じたという猪飼さんが、日本の照明についてどう感じましたか?とエンリコさんに問うと、確かにデンマークは蝋燭の光のイメージ、ヒュッゲ、というスタイルもあるし、closeness(近さ、親密さ)な感じがあるかもしれない。でも日本では紙で作ったシェードのランプが印象的だったり、それぞれの文化によって生まれる違いが素晴らしいです、と話されました。

LYFAとコラボされたプロセスについてお聞かせください、と参加された方からエンリコさんへ質問がありました。新生LYFAの立ち上げをしたラスムスさんがまだライトイヤーズに居た頃に声をかけられたのが最初だったとのこと。その頃はまだガムフラテージのスタジオは若く、照明も手掛けていなかったそうです。その後ラスムスさんがルイスポールセンに戻ってからも依頼があり、今回のLYFAではデザインだけでなく顧問的な役割も依頼されたとのこと。長い歴史を持つLYFAには分厚いデザインのカタログがあり、その中にはデンマークならではなものからエッジの効いたものまでが揃い、そのデザインの変遷の流れからインスパイアされて仕事が出来ているとのこと。LYFAというブランドをリスペクトし、その名前、価値を保ち続けたいと話されました。

エンリコ・フラテージさんと羽柴健さん
エンリコ・フラテージさんと羽柴健さん
LYFA "MEMOIR"とFredericia "CORONA CHAIR"
LYFA “MEMOIR”とFredericia “CORONA CHAIR”

照明、しかも特に柔らかな”Diffused Lighting”(拡散照明)を題材に話される、非常に感覚的で繊細な表現の対話が続いた為、”この表現で正確に伝えられているでしょうか…”と常に模索しながら真摯に言葉を探して通訳してくれたスカンジナビアン・リビングの羽柴健さん。ここで、ずばり「ガムフラテージとしての光の作り方とは?」という質問が猪飼さんから発せられたので、羽柴さんも「今回は優しい質問です」とエンリコさんに振り、会場はふっと力が抜けて笑みがこぼれます。それに対し「I don’t know!」と即座に切り返したエンリコさんもチャーミングに笑い、「常にtryしていますよ、夫婦喧嘩しながらね。」と応答すると、また参加者の皆さんの微笑みが溢れました。

MEMOIRが創り出す温かい空間と同じく、和やかで心地よいトークイベントが締めくくられると、飲み物とデンマークのフィンガーフードが振舞われ、スカンジナビアン・リビングのショールームの至る所に灯された優しいLYFAの照明の下で、参加された方達とエンリコさん、猪飼さん、ラスムスさん達とで会話が楽しまれていました。青山骨董通りに面したショールームのガラスウインドウに反射する照明に、道行く何人もの人々が視線を送りながら冬の街を闊歩してゆく様子が見られる夜でした。

LYFAデザインディレクター、ラスムス・マークホルトさん
LYFAデザインディレクター、ラスムス・マークホルトさん

イベントを開催したScandinavian Living(スカンジナビアン・リビング)は、リンインクープとともにLYFAの国内総代理店を務めています。会場となった青山のショールームはLYFAの照明と上質な北欧家具で満たされ、冬の寒空の下、澄んだ空気を纏って入場してきたプレス、インテリア・建築関係の参加者の方々は凡そ80名は超えていたでしょうか。皆がこの暖かな空間でくつろぎ始める中、イベントは始まりました。冒頭でスカンジナビアン・リビングCEOのHenrik Kohberg(ヘンリック・コーベア)さんからの「スカンジナビアのライフスタイルに照明という要素は欠かせません。特にこのLYFAの照明を是非見てほしいのです。」― という言葉とともに、LYFA再生の立役者でありデザインディレクターのRasmus Markholt(ラスムス・マークホルト)さんが招き入れられました。

Louis Poulsen(ルイスポールセン)で開発の仕事をされていたラスムスさんはその後LIGHTYEARS(ライトイヤーズ)を立ち上げ、再度ルイスポールセンに戻った後、長年温めていた夢を実現、LYFA(リーファ)再生を成し遂げたのが2020年のことでした。LYFAは元々、1903年にシャンデリア照明の会社としてスタートした歴史ある会社で、その名は「LYSEKRONE-FABRIK」(シャンデリアファクトリー)のそれぞれの頭文字をとって名付けられました。Bent Karlby, Simon P. Henningsen, Finn Juhl等の著名なデザイナーとコラボし、’39の映画”Ninotchka”(ニノチカ)でグレタ・ガルボがかぶっていた帽子からインスピレーションを得てつくられたNinotchkaや様々な組み合わせが面白いMosaikシリーズ、Simon P. Henningsenが父ポールヘニングセンから受け継いだチボリ公園の照明計画にて作成したDIVAN2などの名作を次々に生み出したLYFA。しかし買収や統合が繰り返され90年代に一度企業活動の幕を閉じることになります。ラスムスさんは、長い間、この良い照明会社が眠っていることを辛く感じ、ついに2020年、20年の時を経てLYFAを再生させました。

※LYFA(リーファ)の詳しい歴史と歴代のアイコニックな照明作品の数々については、丁度1年程前に行われたトークイベントのレポートでもお伝えしておりますのでご興味のおありな方は是非ご覧ください。
「デンマーク照明ブランド”LYFA(リーファ)”のトークイベント 参加レポート
2022年12月7日、スカンジナビアン・リビング東京ショールームにて」
(IL DESIGN 2023.1.17.)
https://www.italia-kagu.com/pf/new-years-greetings-and-beautiful-danish-lighting-lyfa/

エンリコ・フラテージさん、猪飼尚司さんとの対談。通訳: 羽柴健さん
エンリコ・フラテージさん、猪飼尚司さんとの対談。通訳: 羽柴健さん

LYFAは光をDirect Lighting(直接照明)、Indirect Lighting(間接照明)、Diffused Lighting(拡散照明)の3つのタイプにカテゴライズし、それぞれが用途にかなった目的を果たすようにデザインしているそうです。今回紹介されるガムフラテージ作のMEMOIR、そして彼らの前作REPOSEは、3つ目のDiffused Lighting(拡散照明)にあたります。無指向性で、シェードやグローブにカバーされた光源がその照明器具のもつ素材感、色などを表現し、趣を楽しめるタイプの柔らかな灯りです。次にラスムスさんに代わり、デザイナー・建築家のEnrico Fratesi(エンリコ・フラテージ)さんと、ジャーナリスト・執筆家の猪飼尚司さんがLYFAの照明が作り出す灯りの下に登場しました。

LYFA "REPORSE(リポーズ)"
LYFA “REPORSE(リポーズ)”
LYFA "MEMOIR(メモア)"
LYFA “MEMOIR(メモア)”

猪飼さんはガムフラテージによる2021年の作品”REPORSE(リポーズ)”がとても好きとのこと。(“REPORSE”は日本の簪(かんざし)をモチーフにした、和装の女性のヘアスタイルからインスピレーションを得た美しい曲線を描く照明。)こちらと、今回発表の新作”MEMOIR(メモア)”との違いについてお聞かせください、と切り出しました。エンリコさん曰く、”REPOSE”は「ガラス」というマテリアルに着目して構想し、ガラスを上下に膨らませるように大きさに変化をつけてそれぞれのサイズを作ったとのこと。そして簪(かんざし)に当たる真鍮またはスチールのピンが保つ絶妙なバランスが難しいのです、と建築家ならではの着眼点で続けます。新作”MEMOIR”の方は同じガラスを使いながらもグローブのサイズは1つ。そしてこちらは様々な”構造”を楽しめるモジュラーシステムにして、同じ部品でペンダント、ウォール、シーリング、シャンデリアと色々な形をとれるようにしました、と。3層オパールのガラスグローブを繋ぐ2重のラインを持つアームはメカニカル且つモダンで軽い雰囲気も醸し出しています。

デザインユニット"GamFratesi"のエンリコ・フラテージさん
デザインユニット”GamFratesi”のエンリコ・フラテージさん

「”MEMOIR”のコンセプトは「シャンデリア」だと言います。「シャンデリアと聞くと、豪華、大きい、華美、華燭、古い…なんてイメージが出てきますが、きっと元々は、教会などで段々場所が広くなってきたときに明るさを出すため、蝋燭を継ぎ足し、継ぎ足し、していったものが元なのでは?と思います。ガムフラテージにとって「シャンデリア」についてどうお考えですか?」と猪飼さんからの質問が飛ぶと、エンリコさんは、「MEMOIRは同じランプの光源でどう組み換えができるかを考えた、”モダンな新しいシャンデリア”なのです。」と。長い歴史の中で発展し進化してきた”シャンデリア”。心の中で、嗚呼、見たことがある、昔見た伝統的なシャンデリアに似ている、と感じる部分や、材料や灯の出し方など、何か違う部分を見つけたり…と、”思い出して”(MEMOIR)楽しみを得られるようなものを、クラシックとモダンのバランスをとって作られたそうです。

―ガムフラテージのOfficial siteによると、MEMOIRはシャンデリアの持つ優れた機能性と装飾的な感覚を維持したまま、モジュール式のコンセプトに取り組んだ作品であり、丸みを帯びたシェードが下部に見せる大きくやわらかな突起の形が歴史的なスタイルを思い起こさせているとのことです。そう思って改めてMEMOIRを見ると、なんだか懐かしさを感じることが出来ました。

LYFA "memoir(メモア)"
LYFA “memoir(メモア)”

照明は「その場の”環境”を作る」「ON、OFF二つの顔を持つ」という点、そして材料の面でも家具のデザインとは全く異なり、難しさもある、と話すエンリコさんはイタリア人の建築家デザイナー。イタリアでは場を大きく照らすものが多いが、デンマークに来て気づいた「小さな照明を”使う場所”や”手元”に置く」というスタイルは”発見”だったといいます。デンマークに初めて行った時にレストランでメニューを読むのも大変なくらい光の暗さを感じたという猪飼さんが、日本の照明についてどう感じましたか?とエンリコさんに問うと、確かにデンマークは蝋燭の光のイメージ、ヒュッゲ、というスタイルもあるし、closeness(近さ、親密さ)な感じがあるかもしれない。でも日本では紙で作ったシェードのランプが印象的だったり、それぞれの文化によって生まれる違いが素晴らしいです、と話されました。

LYFAとコラボされたプロセスについてお聞かせください、と参加された方からエンリコさんへ質問がありました。新生LYFAの立ち上げをしたラスムスさんがまだライトイヤーズに居た頃に声をかけられたのが最初だったとのこと。その頃はまだガムフラテージのスタジオは若く、照明も手掛けていなかったそうです。その後ラスムスさんがルイスポールセンに戻ってからも依頼があり、今回のLYFAではデザインだけでなく顧問的な役割も依頼されたとのこと。長い歴史を持つLYFAには分厚いデザインのカタログがあり、その中にはデンマークならではなものからエッジの効いたものまでが揃い、そのデザインの変遷の流れからインスパイアされて仕事が出来ているとのこと。LYFAというブランドをリスペクトし、その名前、価値を保ち続けたいと話されました。

エンリコ・フラテージさんと羽柴健さん
エンリコ・フラテージさんと羽柴健さん
LYFA "MEMOIR"とFredericia "CORONA CHAIR"
LYFA “MEMOIR”とFredericia “CORONA CHAIR”

照明、しかも特に柔らかな”Diffused Lighting”(拡散照明)を題材に話される、非常に感覚的で繊細な表現の対話が続いた為、”この表現で正確に伝えられているでしょうか…”と常に模索しながら真摯に言葉を探して通訳してくれたスカンジナビアン・リビングの羽柴健さん。ここで、ずばり「ガムフラテージとしての光の作り方とは?」という質問が猪飼さんから発せられたので、羽柴さんも「今回は優しい質問です」とエンリコさんに振り、会場はふっと力が抜けて笑みがこぼれます。それに対し「I don’t know!」と即座に切り返したエンリコさんもチャーミングに笑い、「常にtryしていますよ、夫婦喧嘩しながらね。」と応答すると、また参加者の皆さんの微笑みが溢れました。

MEMOIRが創り出す温かい空間と同じく、和やかで心地よいトークイベントが締めくくられると、飲み物とデンマークのフィンガーフードが振舞われ、スカンジナビアン・リビングのショールームの至る所に灯された優しいLYFAの照明の下で、参加された方達とエンリコさん、猪飼さん、ラスムスさん達とで会話が楽しまれていました。青山骨董通りに面したショールームのガラスウインドウに反射する照明に、道行く何人もの人々が視線を送りながら冬の街を闊歩してゆく様子が見られる夜でした。

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~エンリコ・フラテージ, LYFA ラスムス・マークホルト来日  LYFA 新商品発表会~
2024年1月23日

ゲスト:
RASMUS MARKHOLT(ラスムス・マークホルト)さん (“LYFA” Design Director/Owner)
Enrico Fratesi(エンリコ・フラテージ)さん (“GamFratesi(ガムフラテージ)”)

案内&通訳:
Scandinavian Living(スカンジナビアン・リビング)
Henrik Kohberg(ヘンリック・コーベア)さん (CEO and Owner)、
羽柴健さん (Senior Sales Manager)、
小林久子さん (Senior Sales Manager)

会場:
スカンジナビアン・リビング東京

主催:
スカンジナビアン・リビング

★弊社IL DESIGN(イルデザイン)は、国内総代理店スカンジナビアン・リビングを通して登録されている、”LYFA(リーファ)”の正規販売代理店です。”LYFA(リーファ)”の製品について、下記リンク、もしくは下記連絡先よりお気軽にお問い合わせください。

~エンリコ・フラテージ, LYFA ラスムス・マークホルト来日  LYFA 新商品発表会~
2024年1月23日

ゲスト:
RASMUS MARKHOLT(ラスムス・マークホルト)さん (“LYFA” Design Director/Owner)
Enrico Fratesi(エンリコ・フラテージ)さん (“GamFratesi(ガムフラテージ)”)

案内&通訳:
Scandinavian Living(スカンジナビアン・リビング)
Henrik Kohberg(ヘンリック・コーベア)さん (CEO and Owner)、
羽柴健さん (Senior Sales Manager)、
小林久子さん (Senior Sales Manager)

会場:
スカンジナビアン・リビング東京

主催:
スカンジナビアン・リビング

★弊社IL DESIGN(イルデザイン)は、国内総代理店スカンジナビアン・リビングを通して登録されている、”LYFA(リーファ)”の正規販売代理店です。”LYFA(リーファ)”の製品について、下記リンク、もしくは下記連絡先よりお気軽にお問い合わせください。